くらくらするほど眩しい一日でした。
調査立会いの朝。
「くらら先生、緊張してます?」と事務所の後輩。
「ぜーんぜん!慣れてるから」
・・・ウソです。・・・少し緊張。
公認会計士の登録をして1年、税理士登録も先月しました。
今回、初めて一人で調査に立会うのです。
黒のスーツで来たけど、これ着るの監査法人の面接以来?・・・かな。
あの時泊まった神田のカプセルホテルまで思い出す。
あーあ、嫌な記憶。
わたしのイメージじゃないよね。
社長の奥さんもそんな目で見てる。
おや、奥さんの表情が硬い。
奥さん、経理担当役員なんだから、今日は頑張りましようね。
(わたしもガンバる!)
調査官が(来た!)
「おはようございます。
今日はよろしくお願いします」
ネイビー色のリュック背負ってる。税務署の人には珍しい。
ポーター? 黒じゃない色あるんだ。
でもカジュアルすぎないし、結構いい感じ。
元気よさそうな彼、私よりちょっと上くらいかな。
・・・・・
調査開始
調査終了
・・・・・
くらら先生、事務所に戻る。
「所長、すみません。
非違の指摘を受けました」
「どういう内容?」
「去年買ったトラックの耐用年数、違ってました。
償却超過額がでます。
私のミスです」
「そう。減価償却計算の明細表を見せて」
・・・数分後
「確かに、年数違っているね。
ところで、前からあるトラック、償却してないね。赤字決算で今期しなかったんだっけ」
「そうです。減価償却するか、しないかは、任意ですよね。
社長了解で、今期はしませんでした」
「これだと、増差*1はないね。
減価償却計算は同種グループのプール計算なんだよね。
つまりは、償却超過額と不足額は通算して計算するということ。
通算したら、当社は超過額より不足額が大きいよ」
「・・・」
「調査官、間違ってるね」
「あれま⁉️」
*1:増差~調査で所得(利益)金額が増えること。たんに非違がでることを指す場合もある。