今日の調査立会いはアパレルの会社。
ラルフローレン系ブランドのオンリーショップを開いています。
ショップは、ニューヨーク五番街にあるような、お洒落な路面店舗です。
マスコミにも取り上げられ、業績はすこぶる順調。
2号店も昨年オープンしました。
「オーナーは、今週不在です」
えー、ほんと?
海外出張ですか。こんな時に。
それも、ミラノのバイヤーのところなの?
うちの扱いはアメリカントラッドじゃなかったの。
調査官が(来た!)
「おはようございます。
今日はよろしくお願いします」
温厚そうな30代くらいの調査官。
家では家事も育児も手伝う、イクメンパパって感じ。
何となく安心。場もなごやかですね。
でも、どうなのかなー。ラルフローレンも知らないなんて。
業界のこと勉強してきたの。
もしかして決算書の数字を並べるだけの経営分析で満足してる?
ここは、学校じゃないんですよ!
ごめんなさい。エラそうでした。
所長の言葉の受け売りでした。
・・・・・
調査開始
調査終了
・・・・・
くらら先生、事務所に戻る。
「所長、すみません。
非違の指摘を受けました」
「どういう内容?」
「店舗の造作の耐用年数が違っているので、減価償却の超過額がでると言われました。
調査官の指摘はこうです。
『 当社が賃借している店舗建物の内部造作のうち、間仕切りについては、
建物付属設備で耐用年数15年としているが、取り外しが可能なパネル式のようなものではなく、コンクリート造であることから、建物として償却すべきである。
よって、耐用年数は39年が相当である。』
私のミスです。
「なるほど指摘どおりかも。一連の資料を見せて下さい」
・・・5分後
「たしかに、この造作は建物として償却すべきだね。
ただ、この建物については、賃借期間が15年という定めがあって、更新できないことになってるね。さらに、有益費の請求や買取請求をすることができない約定だね。
このような建物については、その賃借期間を耐用年数とすることができるんだよ。
結果として耐用年数15年が正しいので、
減価償却の超過額はでないね」
「・・・・」
「調査官、間違ってるね」
「あれま⁉️」