税理士神宮寺くららの『あれま⁉️』日誌

プロ仕様の税金物語。税理士くららのファンタジーワールドへようこそ。 税務のプロも悩むニッチな事例を集めた実務に役立つショートストーリーです。きっぱり言います。『調査官、間違ってますよ!』

★今日も新人女性税理士が税務調査に立会います★

27.調査官が中小企業倒産防止共済の前納掛金にケチつける

くらくらするほど眩しい一日でした。

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今日の調査立会は葬儀屋さん。

 

社長の奥さん、

いつも明るく賑やかで、辛口の物言いもする、大阪のおばちゃんって感じの人。

葬儀の司会者としても結構評判がいいらしいけど、この人が真面目な顔してやってるかと思うと...。

不謹慎だけど笑っちゃいそう。

そんな憎めない奥さん。

調査官に変なこと言わないでね。

 

調査官が(来た!)

 

「おはようございます。

今日はよろしくお願いします。」

 

ボウズ頭の調査官。筋トレが趣味なんだって。

スリム体型だけど、しっかりと筋肉はありそうな感じ。

 

奥さんに、いきなり仏壇屋からのリベート収入について聞いてる。

この調査官、直接真正面から聞いてくるんだ。

たぶん反応を見ているんだろうなー。

しっかり対応しなければね。

・・・・・

調査開始   

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調査終了

・・・・・

くらら先生、事務所に戻る。

 

「所長、すみません。

非違の指摘を受けました。」

   

「どういう内容?」

 

「前納した中小企業倒産防止共済の掛金は、当期の損金にならないとのことです。

 

調査官の指摘はこうです。

 

 短期前払費用は、支払った日から1年以内に役務の提供を受ける場合には、その支払った事業年度の損金になります。

この短期前払費用は、継続的な支払を前提条件とするもので、貴社はこの継続要件を充たしていません。

よって、前納した掛金は短期前払費用の適用はなく、当期の損金にできません。

 

「期末処理のチェックが不足してました。

私のミスです。」

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「中小企業倒産防止共済は、掛金が全額損金になり、一定期間加入すれば解約しても全額が返ってくるという使い勝手のよい制度です。

本来の目的は、取引先の倒産により資金繰りが苦しくなったときに借入ができるということなのですが。

 

この共済掛金の前納分ですが、租税特別措置法の特例により、前納分であっても期間対応させることなく、掛金を現実に支払った事業年度の損金とするとされています。

この規定には継続適用の要件はありません。

 

誤解があるようですが、短期前払費用の適用により当期の損金にしているわけではありませんので、その年その年で変えても構わないのです。

 

前納した掛金は当期の損金となりますので、全く問題ありません。

 

調査官、間違ってるね。」

 

「あれま⁉️

 

  

26.盛夏の怪談

コーヒーブレイクです。

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今年も夏の甲子園が始まりました。

うーむ...。

どうしても応援席が気になります。

各校の応援レベルが高くてねー。

なかでも、

習志野の音、やっぱり凄いですね。

『レッツゴー習志野』を

ブラビアのライブサッカーモードで観て聴いています。

声援が強調され、球場にいるかのような応援の迫力を感じます。

 

でも、テレビは所詮テレビ。

野球はやっぱり球場に行かないとね。

 

アフリカン、紅とか人気の曲は色々あるけど、今年も熱いアゲアゲをみたい。

 

がんばれ応援団!

暑さに負けずに熱くなれ‼️

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さて、所長のブログを見てみましょう。

 

今回の税の話は・・・また怖い話です。

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ある会計事務所のお話しです。

 

晦日前日にやっと当月分の申告書と届出書が完了。

12月申告はそんなにないけど、なんやかんやで時間がかかってしまった。

後は送信だけ...のはずだったが、e-taxが不調。パソコンのせいなの?

 

今日はここまでにして、年明けに送信することにしました。

仕事始めの1月4日に送信すれば期限内OK...のはず。

 

(1月半ば)

税務署から連絡がありました。

 

今回提出があった課税事業者選択届出書は、期限に遅れていますので無効です。

 

どういうこと?

申告書の申告期限が土日祝日の場合は、その翌日が期限となる。だから1月4日でOKのはず。

 

でも、この届出書は?

「課税事業者選択届出書」の提出期限は、適用を受けようとする課税期間初日の前日まで。要するに12月31日までに提出しなければ、翌期からの適用はできない。土日祝日は関係ない。

 

無効となると、課税事業者とはならないので、大きな設備投資をしても、還付申告はできない!

 

大きなミスです。

税理士に対して損害賠償の請求がされました。

 

(怖っ❗️)

 

25.調査官が簡易課税を否認するって言う

くらくらするほど眩しい一日でした。

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今日の調査立会は、韓国コスメを販売する会社。

 

元ポーラレディの社長は、美白コンサルタントとして、文化教室やイベントでも活躍中ですす。

さすが真っ白で透明感のあるツヤ肌のひとですね。

 

実は社長と会うのは今日が2回目。

うちの所長が、急きょ調査立会いの依頼を受けたのです。本来の税理士が急病とかで。

 

ということで、

法人成りしたばかりのこの会社、ほんとはよく知らないのです。

こういうのは初めての経験。

責任があるような、ないような。

 

でもしっかり対応しないとね。

 

調査官が(来た!)

 

「おはようございます。

今日はよろしくお願いします。」

 

丸メガネが似合う美白の調査官。30代前半くらいかな。

こういう業種の担当はやっぱり女性だよね。

おじさんじゃ、ちょっと無理。

 

調査官はポーラの「ホワイトショット」でケアしてるって。

社長が嬉しそうです。

 

社長が言うには、美白は努力。

日々のお肌ケアは当たり前で、ほんとの透明感は内から作るんだって。

それって食生活のことなの?ビタミンとか。

私もセミナー受けようかなー。

 

おや、社長が調査官に化粧法の指導まで始めてる。

もうそのへんでいいんじゃない?

オルチャン社員が、後ろで困った顔して見てますよ。

・・・・・

調査開始   

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調査終了

・・・・・

くらら先生、事務所に戻る。

 

「所長、すみません。

非違の指摘を受けました。」

 

「どういう内容?」

 

「消費税の簡易課税の適用はできないとのことです。

 

調査官の指摘はこうです。

 

 貴社は、特定期間*1の課税売上高を年換算すると5000万円超となり、簡易課税の適用はできません。

よって、本則課税で計算することから消費税の追徴税額が発生します

 

そうでしょうか。

簡易課税が適用できるかどうかは、特定期間の課税売上高を年換算して判定するのでしょうか?」

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「年換算の必要はありません。

というより、簡易課税の適用に、特定期間の課税売上高は全く関係ない。

特定期間の課税売上高は、あくまで納税義務の判定にのみ用いるものであって、簡易課税の適用判定には全く関係ありません。

 

簡易課税が適用できるのは、基準期間の課税売上高が5000万円以下の場合ですが、

当社のような新設法人は基準期間がないので、基準期間における課税売上高は0円ということになります。

ですから、簡易課税の適用に何の問題もありません。

 

調査官、間違ってるね。」

 

「あれま⁉️

 

 

*1:『特定期間』とは、その事業年度の前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間をいう。

 特定期間における課税売上高が1000万円を超えるときは、納税義務は免除されない。

24.調査官がパソコンの耐用年数違うって言う

くらくらするほど眩しい一日でした。

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今日の調査立会は産業機械の精密部品を作ってる会社。

世界規模のシェアを誇る、知る人ぞ知るメーカーです。

 

経理課の皆さん。

本日の税務調査、準備のほうは万全でしょうか。

なんかバタバタしてるように見えますが。

 

プロジェクターにスクリーン?

会社概況を、これで調査官に説明する?

プレゼンじゃないんだから、ここまでしなくてもいいと思うけどね。

 

ここの事務方は昔から優秀な人ばかりだから、大丈夫だね、きっと。

 

 

調査官が(来た!)

 

「おはようございます。

今日はよろしくお願いします。」

 

国税局調査部の人が五人。どの人もバリバリ中堅職員という感じ。

そこそこ大きな会議室だけど、圧迫感が満ちてます。

 

ほー、さすが、相当勉強してきましたね、局の人。業界と業態を。

質問が高度で専門的ですね。

事務方じゃ答えられないような技術的なことまで聞いてる。

けど、そんなこと税務調査に必要なんでしょうか。

 

でも、ここはスタッフに任せて、黙ってよーっと。

・・・・・

調査開始   

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調査終了

・・・・・

くらら先生、事務所に戻る。

 

「所長、すみません。

非違の指摘を受けました。」

 

「どういう内容?」

 

「去年一新したパソコンの耐用年数が違ってました。

 

調査官の指摘はこうです。

 

 電子計算機の耐用年数を4年として償却しています。

たしかにパソコンの法定耐用年数は通常4年ですが、サーバーなんかは5年になります。

貴社の取得したもので金額の大きなものは、サーバーやワークステーションです。よって、耐用年数は5年ですから、4年は誤りです。

減価償却費の超過額が生じます。

 

「単純なところのチェックが不足してました。

私のミスです。」

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「ここは、グループ法人も多いし、海外取引もかなりあるから、調査項目の範囲は広いよね。国際税務調査官も来てたって?

複雑な取引については、時間をかけて監査をするんだが、単純なミスを見落とすことはままあるもんだ。

特に今回は経理スタッフも大幅に変わっているしね。

 

会計システムも今回自社開発したんだっけ?

固定資産の管理システムも相当変えたと聞いてるよ。

 

指摘された減価償却の明細を見せて下さい。」

 

・・・数分後

 

「これはシステムに重大なケアレスミスがあるかもね。

見てごらん。

何と、耐用年数4年の償却率が5年と同じ0.400になってるね。

(正しい4年の償却率は0.500)

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明らかにシステムの作成誤りだね。

 

だから、耐用年数を4年としたのは誤っていたけど、償却率は0.400を適用していたから(結果として正しく)結局のところ増差はないという…何とも想定できないことになってしまった。

 

調査官は、そこまで確認してなっかたようだね。

 

調査官、間違ってるね。」

 

「あれま⁉️

 

  

23.調査官が外債の受取利息にケチつける

くらくらするほど眩しい一日でした。

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今日の調査立会は土木工事の会社。

町長も輩出した地元の名門企業です。

 

後継ぎは外資系の証券会社に勤めていた孫。

東京から戻ってきて、すぐ専務になりました。

優秀だけど、お得意の財テクに力を入れすぎの感じ。

社業は安定しているけど、会社の将来、これでいい?

 

調査官が(来た!)

 

「おはようございます。

今日はよろしくお願いします。」

 

ベテランのような雰囲気の調査官。

でも、若いはず。 

社会人採用で、実はまだ新米なんだって。

へぇー、元証券マンですか。

 

最近は税務署の人もいろんな人がいる。

確かにこういう人は、貴重な即戦力かもね。

銀行員や外国語に強い商社の人とか。ITに強い人もいいだろうね。

 

おや、専務と話しが合うみたい。

出身の会社は違うけど、共通の知り合いがいるみたいだね。

投資の世界も狭いのかな。

・・・・・

調査開始   

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調査終了

・・・・・

くらら先生、事務所に戻る。

 

「所長、すみません。

非違の指摘を受けました。」

 

「どういう内容?」

 

「消費税の課税売上割合の計算が違ってました。

 

調査官の指摘はこうです。

 

  消費税非課税の社債の受取利子を、課税売上割合計算の分母に入れていない。

この金額を分母に入れて計算すると、課税売上割合は当然低くなるから、控除対象仕入れ税額は減って、消費税の追徴税額がでます。

 

専務が入社してから、投資資産が急増していたのに、チェック不足でした。

私のミスです。」

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「利子などの非課税収入が多ければ、課税売上割合は当然低くなるね。

 

そんなに多いの?利息の収入。

 

指摘された利息の明細を見せて下さい。」

 

・・・数分後

 

「これは外債の利子だね。

ノルウェー地方金融公社スウェーデン輸出信用銀行・・・北欧系の金融機関が発行した社債が多い。

 

なるほど、あの専務らしいね。

 

高利回りだし、資金に余裕があれば確かに魅力はある……けど。

リスクがあるよね、為替変動や信用リスクとか。

以前、彼が東京の会社にいたとき、私も勧められたのを思い出したよ。

 

調査の指摘だけど、これは逆に課税売上割合が高くなっちゃうね。

外債の受取利子は非課税資産の輸出取引に該当するので、課税売上割合の分母、分子に算入することになる。

だから、正しく計算すると課税売上割合は高くなるはず。

 

誤った申告だけど、消費税は追徴ではなく、還付だね。

 

調査官、間違ってるね。」

 

「分母と分子に同じ金額を足すと…割合は当初より高くなる?

なるほど、となると…」

 

「あれま⁉️