今日の会社は新車ディーラーです。
「おはようございます」
ニコヤカ女子社員のお迎えです。
お店の駐車場に入るといつも飛んできます。
さすが顧客満足度地域ナンバー1のお店ですね。
でも、そろそろ覚えてね、私のこと。
お客じゃなくて、税理士ですよ。
おや、会長さん、お久しぶりです。
「くらら先生、ミラクルオープンドアのこの車どうですか。
スライドドアだし、お子さんの乗り降りもスムーズですよ」
えっと、私、子持ちじゃありません。
というよりまだ一人ですけど。
調査官が(来た!)
「おはようございます。
今日はよろしくお願いします」
落語家の大師匠のような雰囲気の調査官。
たしかそんな年ではないはずですが。
会長と話しが弾んでる。
でも、世間話が長すぎじゃない。
飽きちゃいました。
そろそろ仕事に移らないと叱られない?
・・・・
調査開始
調査終了
・・・・・
くらら先生、事務所に戻る。
「所長、すみません。
非違の指摘を受けました」
「どういう内容?」
「消費税の誤りです。
共通用の課税仕入れにならないと指摘されました。
経営安定のために、空き地を利用して賃貸用の2階建て建物を建設しまた。
1階は店舗用、2階は住宅用で、床面積は各階とも同じです。
調査官の指摘はこうです。
『課税仕入れについては、課税売上、非課税売上、共通用に区分しなければならないが、
この建物は課税売上と非課税売上に対応するものとに区分できるものです。
合理的に区分できるものは、共通用にして計算することは認められません』
確かに1階と2階は、床面積が同じで建設単価もほぼ同額ですから、合理的に区分することは可能です。
課税売上割合90%の共通用で計算していたので、結果として課税仕入れは過大になりました。
私のミスです」
「店舗用と住宅用の建物であれば、課税売上と非課税売上の両方に対応するから、共通用の課税仕入れとなりますね。
でも区分できるならば、課税と非課税に区分して計算しなさいという指摘かな?」
「共通用の課税仕入れについては、合理的に区分できるのであれば、課税と非課税に要するものとに区分するという通達があるとのことでした」
「通達の趣旨は、合理的な基準によって区分していれば、その処理が認められるということであって、この処理が強制されているわけではありません。
つまり共通用のものに該当する課税仕入れを、更に区分して課税と非課税にする必要はないということです。
調査官、間違ってるね」
「あれま⁉️」