「今日来る調査官、女性だって?」
「どんな人?」
「女性の調査官って、多いの?」
朝から社長、ハイテンションです。
しかも、少しお酒くさい。
だいじょーぶかな。
調査官が(来た!)
「おはようございます。
今日はよろしくお願いします」
抜け感のある引き算メイクで・・・凛としている人。
走るのが得意そう。
さらっと市民レースに出て、帰り際、女子の年代別3位に自分が入ってるのに気づく。
そういう感じの人。
ほー。
私がチョット苦手な馬力型社長との会話も弾んでるじゃない。
結構やり手かな。
・・・・・
調査開始
調査終了
・・・・・
くらら先生、事務所に戻る。
「所長、すみません。
非違の指摘を受けました」
「どういう内容?」
「去年買ったタイヤショベルの耐用年数、違ってました。
車両だと思っていましたが、機械装置の12年が正当と言われました。
私のミスです」
「そう。確かにタイヤショベルは機械装置に該当するね。
で、12年の根拠は?」
「道路貨物運送業用の12年です」
「この会社は観光バス事業だったね。
・・・・となるとそれは違うね。
『道路旅客運送業』に分類されるね。
『道路貨物運送業』ではないね。
耐用年数表 別表2は、
日本産業分類の中分類で定められているけど、
道路旅客運送業は規定されていない。
だから、『その他の』年数を適用するんだね。
8年が正解だよ」
「・・・・」
「調査官、間違ってるね」
「あれま⁉️」